夫婦が「親」になるとき

家族心理

目次

  1. 子どもが生まれたら夫婦関係はどうなるんだろう?
  2. 子どもは、問題も運んでくる
  3. 夫婦が親になるとき
  4. きわめて複雑なプロセス
  5. 夫婦が「親」になるときに必要な支援
  6. 社会的なサポート
  7. 新しく親になった人へのインタビュー 
  8. 結婚の「質」が子どもに与える影響
  9. 両親の疲弊が、子どもに影響を与えないために

子どもが生まれたら夫婦関係はどうなるんだろう?

 かつては、日本でもアメリカでもこんな疑問をもつ人はいなかった。
赤ちゃんは、結婚した夫婦が待ち望み、夫婦をさらなる愛情で結びつけるもの、と考えられていたからだ。

子どもは、問題も運んでくる

 今では様子が違っている。

子どもが生まれるのは、喜びには違いものの、それと同時に子どもは夫婦間で解決しなければならない問題も運んでくるのだ。

それは、たんに「お金」や「家事分担」の心配事として処理されるわけではない。夫婦の愛情関係に響くのだ。

 現代は、子どもが生まれることによって、夫婦関係が試される時代になっている。

夫婦が親になるとき

1.妊娠を知ったとき

2.子育てをはじめるとき

3.母親が仕事を再開するとき

それぞれの段階で、夫婦が互いにどのように感じていて、どこに期待や不満を持っていて、そのなかで時間やお金をやり繰りしながら、かつ夫婦関係も考えて子どもを育てていくことになる。

きわめて複雑なプロセス

「出産から子育て」の時期は、様々な要因が絡み合った複雑なプロセスである。この段階は、どこかを切り離して分析するには不向きなのだ。

ある状況に対して、夫婦のそれぞれが意見・期待・欲求を持ち、交渉・取引、時には不満をぶつけ合って、やっと1つの決定にたどり着く。

そんな世界がそれぞれの家庭で繰り広げられている。しかも、それは何度も何度も繰り返される。

家族支援にトータルで包括的な支援が求められるにはワケがあるのだ。

夫婦が「親」になるときに必要な支援

社会的なサポート

結婚したカップルが親になっていく過程で、次のような人たちからのサポートを望んでいることがわかった。

1)友人

2)自分たちの家族

3)社会的にサポートしてくれるグループ

4)健康に関する専門家

新しく親になった人へのインタビュー 

 新米の親たちは、「自分に対して良い感情を持つ」ことを支えてくれて、「二人で暮らし続けて」いかれるための「サポート」が必要だという。

社会的なサポートをしてくれる人に求めていることは、

1.満足

2.挑戦

3.理解

4.必要なときに、直接的なアドバイスやサポート

であった。

それらを通して、特別な問題の解決に役立てたり、親としての自分の責任を心配すぎなくてもよいように援助してほしい、という。

結婚の「質」が子どもに与える影響

 結婚生活における夫婦間の葛藤は、子どもの成長に影響を与える。両親の葛藤は、直接的に子供に影響を及ぼすからだ。

一例をあげると、葛藤を抱える両親の子どもは学校の教室で作業に集中しにくくなる、という結果がでた。

両親の疲弊が、子どもに影響を与えないために

 親の幸福感や鬱憤は子育てスタイルを通して子どもの成長に影響する。

 妊娠からはじまる家族の門出の時期を研究してわかったことは、カップルが親になり、家族づくりをはじめる初期段階に教育的な指導が必要ということである。

両親の疲弊が子どもに影響する前に、それぞれに必要な能力を必要な分だけ学べる機会が求められている。

カップル研究から学べることは多い。

参考:『カップルが親になるとき』 著者:キャロン・コーワン、フリップ・コーワン

 訳者:山田昌弘、開内文乃、発行:勁草書房, 2007年

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